夕方、自転車を走らせる。
「駄目!そっちに行っちゃ!」
小学低学年くらいだろうか?女の子が空き地でウサギを散歩させている。首輪をつけ手綱で繋がっている女の子と黒ウサギ。
何か人間に見えない興味があるのだろうか。ウサギはご主人の命令を無視して主人の意と反対方向の土の匂いを嗅いでいる。
犬の散歩は見かけるがウサギの散歩とは…。愛くるしい外見もそうだが、犬に比べると遥かに小さいものだからそれもあいまって余計に可愛い。
「もう!だからこっちだってば!!」
女の子が力任せに引っ張る。ウサギは引っ張られた方向に吹っ飛ぶ。
「そっちにも行かないの!」
女の子引っ張る。ウサギ吹っ飛ぶ。
小さいからね。犬と違って。

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