自転車で走る。
ふと梅の花の香りがした。暖冬のせいなのか、随分早い気がする。気のせいかな?とも思ったけど、別に梅の事を考えてた訳でないのに、感じたこの香りは本物かもしれぬ。冬が大っ嫌いな僕は春がひたすら待ち遠しい。そんな僕に梅の花の香りは毎年、嬉しさと、もどかしさを与える。もうすぐ冬が終わりそう、でもまだまだ寒い日は続く、僕にとってそんな微妙なタイミングで咲くのが梅の花。春をおあずけしてる花の様な気がしなくもない。
帰り道は雨が降ってる。花の香りを確かめたくて、来た道をそのまま戻る。意識的に香りを求めたせいか、それとも冷たい雨に消されたのか、もう香りはなくなっていた。

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